燃えた家は144軒、被害総額30億円以上 糸魚川大火災 誰がどう補償するのか

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4万平方メートルが焼け野原

●火災保険はどこまで出るのか
●保険会社は大損か?
●火元になったラーメン屋店主の賠償責任
●自治体と国はカネを出してくれるのか
●被災者は家を建て直すまでどこに住むのか

炎が町をまるごと焼き尽くす映像は、衝撃的だった。死者が出なかったのが救いだが、家を失った住人たちには次なる困難が待ち受ける。家の、そして生活の再建のためのカネを、どうするかだ。

中華料理店主は「消えた」

「年明けから瓦礫の処理が始まりましたが、こないだまで自分の家だったものが処分されていくのを見るのは、すごくつらい。先代がコレクションしていた書画や置物はすべて燃えてしまったんですが、保険会社からはこれは家財補償の対象にはならないと言われました。人生の大半を過ごしてきた家はおろか、今まで生きてきた証である思い出の写真や先祖代々の記録も、全部燃えてしまった。失ったものが多すぎて、何と言っていいか……」

 こう語り、がっくりと肩を落とすのは、新潟県糸魚川市で昨年末に発生した大火災で家が全焼した80代の男性だ。



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