あなたの隣にいるかもしれない「地面師」という闇の住人 森功(ノンフィクション作家)

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土地の所有者になりすまし、億単位のカネを騙し取る詐欺師たち

土地を買うために大金を振り込んだら、売り主は真っ赤な偽者でカネは闇に消えた……。にわかには信じられないほど奇怪な事件が、現代の東京で頻発している。裏社会で蠢(うごめ)く詐欺師たちの手口とは?

森功(ノンフィクション作家)

不動産のプロも騙される

 他人の土地を自分のもののように偽って第三者に売り渡す詐欺師――。大辞林ではそう説明する。それが地面師だ。

 といっても、昨今では馴染みが薄い。地面師は古く70年前の終戦後のドサクサに跋扈した。日本全国どの町でも役場が戦災に遭って機能しない時代だ。地面師たちは勝手に縄を張って土地の所有者になりすまし、土地の登記をはじめとした関係書類をでっちあげた。そして、それを転売してぼろ儲けしていた。


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