プロ野球特別読み物「育てる」 完成品を買ってくる巨人・阪神の時代はもう終わった

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● 大谷翔平と有原航平、「難しくてマイペースな二人」を日ハムはどうやって伸ばしたか
● 大田泰示を見ればわかる ヤクルト・山田哲人は巨人なら、こうはならなかった
● 広島の「雑草軍団」鈴木誠也、田中広輔――育てるしかないから、人は育つ

プロ野球の世界に入る猛者は、能力とプライドがある。だからこそ、育て方ひとつで大きく伸び、些細なことで伸び悩むこともある。今シーズンの球界をリードする5選手が飛躍する過程を追った。

アドバイスするタイミング

 実績に比例して、大谷翔平(22歳)の欲は、指揮官の指示を無視するまでふくれあがった。6月19日の交流戦・中日戦。左打者の大谷は4回、右足すねに自打球を当てた。レガースがカバーしきれないむこう脛を直撃し、転倒。右足は投球時に軸足となるため、周囲は肝を冷やした。大谷はベンチに下がり、アイシングを施し、8回までマウンドに立ち続けたが、栗山英樹監督は試合後、怒りをあらわにした。


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