「寝たきり」「重病」「歩けない」……まもなくやってくる大地震 あなたの老親 どう守るか

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準備していますか?

東北でも熊本でも、弱い者から死んでいく。起きてからでは何もできません

「余裕がない」「地震なんて先の話だ」。そう考えて日々の暮らしに追われているとき、突如として大地震は襲ってくる。「災害弱者」と呼ばれてしまう老親の命をどう守るのか。今考えるべきこととは。

一歩間違えば、死んでいた

「夕食を済ませて、親父の身体を拭いてやり、ベッドの近くに置いたテレビをつけて、9時のニュースを見せていた時だったと思います。自分の部屋で用事をしていたら、ドンッと揺れがきた。居間のほうで、女房が何か叫ぶのが聞こえましたが、近づくこともできない。長く感じましたが、揺れていたのは1分くらいだったですかね。正直、脚がすくんで、ほうけていましたが、女房が『お父さん、お父さん』と呼んでいるのを聞いて、ハッとしたんです」

 熊本市在住の濱中康人さん(54歳・仮名)は、車いすが必要で、認知症も始まっている父親(87歳)と暮らす自宅で襲われた、4月14日の熊本地震の最初の衝撃を、こう振り返る。


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