宇能鴻一郎「官能小説」傑作選 第四十七回〈もう一度して(上)〉

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今回掲載した「もう一度して」は、1980年に刊行された『女体育教師』に収められた一編。『女体育教師』は、女子体育短大を卒業し、都内の中学・高校併設校に勤めはじめたばかりの女性教師(19歳)が、同僚の先生やPTA会長とエロティックな関係をもってしまう様子が描かれている。
 学校は、冬休みになったんです。

 でも、あたし、新年早々の、体操競技会をめざして、毎日学校の体育館に行って、練習をしていたんです。

 誰もいないガランとした体育館。

 火の気もないので、とても寒いけれど。

 でも、その緊張感がすごく、いいんです。


会員の方は