いま、芸能界で最高の脇役 岸部一徳はどうしてこんなに面白いのか

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会社の経営者として、部下を罵倒する役もあれば、独特のオネエ言葉で一匹狼の女医のストレスを癒す役もこなす。一つのイメージに凝り固まることをよしとしない、不思議な男の魅力に迫る。

温厚でミステリアス

 かねてから自作での起用を熱望しながら、まだ実現していない演出家の鴨下信一氏は、今や芸能界最高の名脇役となった岸部一徳(68歳)をこう評する。

「一徳さんは、昔の日本男児のいいところが出ている役者さんです。体が大きく、顔も怖い。そして不器用。でも見た目と違い、性格は温厚で真面目です。小西真奈美が主演した映画『のんちゃんのり弁』の一杯飲み屋のおやじさん役のような、朴訥で、庶民的な役は、彼にしかできない」


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