VW事件で堕ちた「EUの盟主」ドイツ人のあっけない転落 第1部 川口マーン惠美(ドイツ在住作家)「『日本は姑息』『トヨタが憎い』そんなこと言ってる場合か」
社会 | 2015.10.05 |
ドイツを愛するから、あえて言う
フォルクスワーゲンの不正は、同社78年の歴史の中で最大の危機であるだけではない。ドイツの産業、国家、そして国民全体が深い傷を負うことになりそうだ。勝ち組から一転。世界はこの国に疑惑の目を向け始めた。
フォルクスワーゲンの不正は、同社78年の歴史の中で最大の危機であるだけではない。ドイツの産業、国家、そして国民全体が深い傷を負うことになりそうだ。勝ち組から一転。世界はこの国に疑惑の目を向け始めた。
「真面目で勤勉」は過去のものに
ドイツ人のイメージといえば、真面目で、勤勉。おそらく昔はそうだったのでしょう。これが今でも定説のように語られていますが、現在のドイツ人は実は休暇が大好きで、病欠も多い。必ずしも勤勉とは言えません。ただ、労働時間が少ないわりには生産性が高い。それを彼らは自慢に思っており、特に最近のEU(欧州連合)での一人勝ちもあり、少々鼻が高くなっていたかもしれません。
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