週現『熱討スタジアム』第165回 「ウォークマン」発売を語ろう 今週のディープ・ピープル 藤井フミヤ×大曽根幸三×手塚多吉

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1979年、ソニーの大ヒット商品は音楽の楽しみ方を変えた

累計販売台数4億台超え! 世界中を席巻した大ヒット商品は、自由なモノ作りの風土から生まれた。多くの若者が憧れたウォークマンの誕生秘話が明らかに。

見える風景が変わった

藤井:ウォークマンは人々の「音楽の聴き方」を変えた画期的な製品でしたね。それまで音楽というのは自宅とか友達の部屋といった室内で聴くのが普通で、外で楽しもうと思っても、持ち出せるのはトランジスタラジオくらいしかなかった。でも、ウォークマンを持っていれば、山でも海でも好きな音楽を聴くことができました。

大曽根:ウォークマンが発売された'79年当時、藤井さんはおいくつでしたか。

藤井:高校2年生でした。クラスの友達が得意げに持って来たので貸してもらって聴いてみると、教室の風景がいきなりドラマチックに見えたことをよく覚えています。ありふれた日常風景でも、そこに音楽が聴こえることによって、自分がドラマの主人公になったような気分になれたんです。

手塚:ウォークマンは、もともと遊び心から作られた製品です。当時、私たちは商品企画課という新製品の開発グループにいて、毎日のように新しい製品の企画を考えていました。あるとき「好きな音楽を外で聴けたら楽しいね」という話になり、じゃあ作ってみるかと軽い気持ちで始まったプロジェクトだったんです。



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