初対談 内田樹×水野和夫「資本主義の限界とニッポンの未来」

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カネ儲けばかり考えるのは、もうやめにしないか

日本は好景気って、本当なのだろうか――。ニュースを見ながら、ふと疑問に思ったことが誰にでもあるだろう。転換期を迎えている経済の「仕組み」について、思想家と経済学者が語り合った。

中国バブル崩壊は必然

内田:水野先生とは、前々からお話ししたいと思っていたんです。先生は昨年ベストセラーになった『資本主義の終焉と歴史の危機』で、いま資本主義が限界を迎えていることを、経済史を紐解きながら説明されていた。

 株式市場の動向や企業の四半期決算など、狭い範囲の、短い期間の情報に振り回される経済学者が多いなか、先生は時間的にも空間的にも「ビッグデザイン」を描かれていて、新鮮でした。

水野:現在の世界では、いたるところで過剰生産に陥り、これまでのような経済成長はもはや見込めません。これは13世紀以来、8世紀に及ぶ資本主義の歴史でも初めてのこと。世界経済は、歴史上の転換点にあると書いたのが、拙著でした。



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