週現『熱討スタジアム』第159回 久米宏『ニュースステーション』を語ろう 今週のディープ・ピープル 渡辺真理×岩崎貞明×高成田享

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ニュース番組の常識を変えた

ただ事実を伝えるのではなく、ユーモアのある巧みなトークに引きこまれた。19年間、多くの人が22時の「習慣」にした、あの番組の魅力を生んだものとは。

社運を賭けた番組

高成田:『ニュースステーション(以下、Nステ)』が放送されたのは1985年10月から2004年3月までの19年間。そのなかで僕は、'96年4月からの1年半、コメンテーターを務めさせてもらいました。いまとなってみれば、得難い経験だったと思うんだけれども、実は最初、番組に出るのが嫌だったんですよ。

渡辺:そうだったんですか。私は高成田さんと出演の時期が重なっていないので、今回お目にかかるのが楽しみでした。どうしてお嫌だったんですか?

高成田:'90年代半ばは、住専問題に端を発する金融危機問題が噴出した時期でしたよね。

 僕は当時、朝日新聞の経済担当の論説委員として社説を月10本以上書いていたんです。自分は書く人間なのに、そんなときに毎日テレビに出演しろとは、どういうことかと憤っていた。

 当時はまだ、この番組の持つ魅力に気がついていなかったんです。

岩崎:私がテレ朝に入社したのは、Nステ放送開始から半年後の'86年4月ですが、入社試験の役員面接のとき、志願者全員が「昨日のNステを見たか?」と感想を尋ねられていました。「社運を賭けた番組なんだな」と強く感じましたよ。



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