「同僚警官を尾行せよ!」これが『ヒトイチ』警視庁人事一課監察係の世界だ

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警察官の不祥事を摘発する「警察のなかの警察」。それがヒトイチだ。刑事や公安が活躍する陰に隠れながら、独自のやり方で警察組織を支えてきたエリートたち。その知られざる姿をお伝えする。

非合法な手段も使う

――このナゲ(投書)の詳細さから言って、かなり確度の高い事案だな。

――オンナですか。では、2週間追っかけ(尾行)して動向を洗いましょう。

――そうしてくれ。もし事実なら、諭旨で辞めてもらうことになるだろう。

 東京・桜田門前にある、警視庁本部庁舎の11階。警視総監室もあるフロアに、警務部人事第一課の部屋はある。彼らは課の名前を略して「人一(ヒトイチ)」と呼ばれている。部屋のいちばん奥、パーテーションに区切られた一角にある「監察係」。そこでは日々、冒頭のような会話が交わされている――。



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