宇能鴻一郎「官能小説」傑作選 第十六回〈口で採寸(下)〉

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今回掲載した「口で採寸」は、1979年に刊行された『脱いで試して』に収められた一編。紳士服売り場に勤める未亡人店員が、試着室で若い男子学生とエロティックな関係になってしまった。しかし、すべて意地悪な主任女店員に見られていて……。

 試着室の様子を見てとると、その主任女店員、彼女のあとをつけて、隣りのトイレに入って、ケイコさんの、未亡人の切ないあえぎやかすかな音を、ぜんぶ、聞きとっていたんです。



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