宇能鴻一郎「官能小説」傑作選 第十二回〈太い軸で(上)〉
小説 | 2015.05.18 |
今回掲載した「太い軸で」は、1980年に刊行された『女体育教師』に収められた一編。『女体育教師』は、女子体育短大を卒業し、都内の中学・高校併設校に勤め始めた女性教師が、同僚の先生やPTA会長とエロティックな関係をもってしまう様子が描かれている。
あたし、もうすぐ、体操競技会の予選が迫ってるんです。
で、あたし、毎日、おそくまで寒い、ガランとした体育館に残って、一人で平均台や、床競技の練習をしてたんです。
競技会ではどっちかを選べばいいんだけれど、あたしは両方とも、得意なんです。
ピッタリ体についた袖のある、水着みたいな体操着をつけて、鏡の前に立つ。
さいきん、ちょっと太目になったみたい。
で、あたし、毎日、おそくまで寒い、ガランとした体育館に残って、一人で平均台や、床競技の練習をしてたんです。
競技会ではどっちかを選べばいいんだけれど、あたしは両方とも、得意なんです。
ピッタリ体についた袖のある、水着みたいな体操着をつけて、鏡の前に立つ。
さいきん、ちょっと太目になったみたい。
会員の方は