週現『熱討スタジアム』第145回荒井由実『卒業写真』を語ろう 今週のディープ・ピープル 有賀恒夫×田家秀樹×冨澤一誠

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悲しいことがあると……
あの人はいま、
どうしているだろう

あの青春時代にはもう戻れない――。目の前の日々に急がされ、知らぬ間に変わってしまった「私」。この季節、誰もが口ずさむあの名曲はこうして生まれた。

ユーミンはまだ無名だった

富澤:『卒業写真』がはじめて世に出たのは'75年2月5日でしたが、それはユーミンの歌としてではなかった。旧姓の「荒井由実」で作詞作曲し、コーラスグループ「ハイ・ファイ・セット」に提供したんです。その4ヵ月後、ユーミン自身も3枚目のアルバム『COBALT HOUR』にこの歌を収録した。

有賀:私はディレクターとして「ハイ・ファイ・セット」とユーミンのレコーディングに関わりました。当時、ユーミンは2枚のアルバムを出していましたが、まだ知る人ぞ知るという存在で、国民的歌手ではなかった。それでも、彼女はすでに作曲家として圧倒的な才能を発揮していました。



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