週現『熱討スタジアム』 第135回 『幸福の黄色いハンカチ』を語ろう 今週のディープ・ピープル 武田鉄矢×近藤勝重×中島貞夫

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刑務所帰りの寡黙な主人公は健さんそのものだった

「ほらあ、あれっ!」と指差す先には、男を待ち続けた女が掲げた数えきれない黄色いハンカチがひるがえっていた―。高倉健の国民的人気作を語り尽くす!

健さんの転換点だった

武田:いまだに信じたくありませんが、日本人みんなの憧れだった高倉健さんが逝ってしまってから、もう2ヵ月近くが過ぎようとしています。

 私は健さんとは『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』(1977年)で共演させていただいて以来のお付き合いでした。

中島:僕は健さんが東映に所属していた時代の仲間。僕が監督した映画『あゝ同期の桜』('67年)などに出演してもらった。

 健さんを大スターに押し上げた『日本侠客伝』シリーズ('64〜'71年)では脚本執筆を手伝ったこともあります。

近藤:私と健さんのお付き合いが始まったのは約20年前。健さんのロングインタビューが取りたくて、まずは長文の手紙を書きました。やがてそれが功を奏して、実際に取材をすることができた。

 手紙のやり取りは、健さんが亡くなる前の昨年初夏まで続いていたので、亡くなったと聞いたときには本当に驚きました。

 たしかに『黄色いハンカチ』は、健さんの役者人生の大きな転換点となった作品でしたね。



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