週現『熱討スタジアム』第124回 向田邦子ドラマを語ろう 今週のディープ・ピープル 黒柳徹子×鴨下信一×向田和子

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日常の些細な風景も、この人が描けばたちまち色鮮やかに生まれ変わった。向田邦子のドラマは、なぜ時代を超えて愛され続けるのか。その魅力を語り尽くす。

森繁久彌も困らせた

向田:姉の邦子が台湾で起きた飛行機事故で亡くなってから、もう33年が経ちました。いま姉が生きていれば84歳。時間が過ぎるのは早いものです。

鴨下:向田邦子さんといえば、ドラマ『あ・うん』や『阿修羅のごとく』、『だいこんの花』など数々のヒット作を生み出した、昭和を代表する脚本家。彼女の作品はいまでも繰り返し再放送され、時代を超えて愛され尊敬されています。僕も演出家として『寺内貫太郎一家』や『幸福』などで一緒に作品を手がけましたが、本当にユーモラスで、機知に富んだ人でした。

黒柳:向田さんは脚本家としてだけでなく、『父の詫び状』などのエッセイでも成功しました。物書きとしての才能はもちろん、なにより人間が面白かった。



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