特別読み物 元高校球児たちが語る 甲子園は私の先生でした

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東邦・バンビ坂本 秋田経法大附属・中川申也 横浜商業・三浦将明 沖縄水産・大野倫ほか
あの敗戦が教えてくれた、勝ちっぱなしの人生なんてない

努力の末に出場した甲子園で負ける。そのショックは計り知れない。しかし球児たちの人生はまだこれから。その悔しさ、その無念は、無駄にはならない。元球児たちはそれを、身をもって知っている。

仕事に悩むと思い出す

「サヨナラホームランを打たれた瞬間は、いまでもよく覚えています。不思議と悔しさはなかった。飛んで行くボールを眺めながら、これで解放されるんだな、という気持ちでした」

 37年前の敗戦をそう振り返るのは、かつて愛知・東邦高校の1年生エースとして甲子園を沸かせ、「バンビ」の愛称で親しまれた坂本佳一(よしかず)(52歳)だ。

 '77年夏の甲子園、東邦は下馬評を覆して決勝まで勝ち進んだ。東洋大付属姫路との決戦は投手戦になり、9回が終わって1―1の同点。延長戦に突入した。


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