週現スペシャル「遺さない死に方」──なぜ人は「ゼロ死」に惹かれるのか  第1部 齋藤孝「ゼロ死」こそ、日本人の理想の最期です

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葬式なしで火葬場から遺骨を引き取らない「ゼロ葬」を紹介した初回から大反響を呼んだゼロ死シリーズ。早くも第4回となる今回はゼロ死がここまで注目を集める理由を考えてみる―。

それは日本古来の自然な感情だった

齋藤孝 明治大学教授
さいとう・たかし/ '60年静岡生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て明治大学文学部教授。9月『仏教 心を軽くする智慧』(日本経済新聞出版社)刊行

モノがあるから悩みが増える

 遺される人に、手間もおカネもかけさせず、いわゆる葬式も墓もなくてよい。ただスッとこの世から消えるように、静かに逝きたい―。

 いま、そう考える人が急増している。

 まさに、ゼロになって死ぬ「ゼロ死」。これを特集して以来、編集部には「どうすればゼロ死ができるか」「何を準備しておけばいいのか」など、問い合わせが日々、寄せられている。

 なぜ、いま日本人はこれほどゼロ死に惹かれているのか。



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