二宮清純レポート 西勇輝(オリックス投手) 覚醒した「やんちゃ坊主」

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コントロールは抜群。マウンド度胸もある。しかし西には、「1球への執念」が足りなかった。23歳の若者は今季、いかにそれを身につけたのか。その背景にある、知られざる苦悩と努力に迫った。

エース金子の教え

 開幕前、オリックスの躍進を予想した評論家はほとんどいなかった。無理もない。昨季は借金7の5位だったのだから。

 それが、どうだろう。8月13日現在、58勝40敗1分でパ・リーグの2位につけている。首位を走る福岡ソフトバンクとのゲーム差は4。これ以上、離されるわけにはいかないが、追撃不可能な差ではない。

 目を見張るのが2.80という防御率だ。これは12球団随一。エースの金子千尋とともに投手陣を牽引するのが、今回の主人公・西勇輝である。



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