ナイン、監督の話に思わず涙 9回裏8対0から勝利は逃げた……「ああ、甲子園は遠かった」

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「もはや勝ったも同然、これで甲子園に行ける」。そう思った時から悪夢は始まっていたのかもしれない。なぜ高校史上に残る大逆転劇は起きたのか。敗れた選手たちの証言を元にあの試合を振り返る。

永遠に終わらない気がした

 打球がレフトの頭上をこえ、サヨナラ負けが決まった瞬間、小松大谷の2年生左腕・木村幸四郎は、マウンドに立ち尽くした。

「悔しいというより、3年生に申し訳ない……その気持ちしか頭に浮かびませんでした」

 監督を務める西野貴裕(39歳)は、29年ぶりの甲子園出場が絶たれたその時、「野球の神様」の声を聞いた気がしたという。


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