劇団ひとり 「世界のキタノ」に憧れて

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お笑い 小説家 俳優 映画監督 何でもこなす多芸の人

アプローチは「求道者」に近い。「器用貧乏」ではなく、武器を磨き上げた結果が多芸。仕事は「苦行」と表現した。

撮影/菊池 修 文/柳川悠二

「あんちゃんたち知ってるよ」

かっこいいと思った芸人はたけしさんだけ

「劇団ひとり」を名乗る以前、本名の川島省吾で活動していた'98年のことだ。幼少期から彼をテレビに釘付けにさせたあのヒーローに、こう声をかけられた。

「おう、あんちゃんたちのこと、知ってるよ。面白いな」

 声の主はビートたけし。

 彼が司会を務めていた番組の若手芸人発掘コーナーに、お笑いコンビ「スープレックス」の一人として出演していた。たけしと顔を合わせるのは、この日が初めてだった。


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