[企業内情レポート]ホンダ「EV敗戦」への不安と誤算

[ptitle]
四輪車の営業利益が3年で大激減
三部敏宏社長への疑念が渦巻いて――

どこよりも早く新技術を形にする「夢の力」で世界企業となったホンダ。だが「EV化」という未曽有の荒波に襲われるとは、本田宗一郎も予測しなかっただろう。混乱の社内で何が起きているのか。

井上久男
(ジャーナリスト)

エンジンはもう終わる

 トヨタ自動車と並んで日本の基幹産業を牽引してきたホンダの稼ぐ力が落ちている。11月9日に発表した'22年4~9月期決算で、主力の四輪事業の営業利益率はわずか1.3%(635億円)まで下落。「ゴーン経営」の後遺症に苦しむ日産自動車の3.4%よりも低く、四輪だけで1952億円の利益を出していたコロナ禍前の、'19年同期の3分の1程度に激減した。



会員の方は