「戦艦大和を沈めた男」は、今もそこにいる

[ptitle]
1945年4月7日の教訓
3000人の命とともに海の藻屑と化した巨大戦艦

「特攻」を命じたのは、現実と現場を無視して机上の空論、固定観念、精神論を振りかざす大本営のエリート参謀だった

史上最大の46㎝砲を備えた戦艦大和の運命は、ひとりの男によって変えられた。彼の狂信的な言動は次第に周囲に伝播し、組織は内部から崩壊していく。その先に待っていたのは最悪の結末だった。

海軍大学校卒の「勝ち組」

 その戦艦は、アメリカ軍による猛烈な爆撃と魚雷を受けて沈んでいった。上空に600mもの煙を上げながら、全長263mの巨体が海中へと呑み込まれていく。

 上官から即刻退去の命令を受けた兵士たちが船から離れようとしても、甲板に溜まった血で足を滑らせてしまう。海へ飛び込んだ兵士も、渦に巻き込まれて溺死していった。



会員の方は