[夏の特別読み物]1971年夏 名曲「花嫁」と僕の青春

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♪花嫁は夜汽車にのって とついでゆくの

はしだのりひことクライマックスの曲を聴いて、
故郷と未来を思ったあの暑い日。
何かを得るために何かを捨てたあのときよ

駆け落ちを主題にしたこの歌は、日本の音楽史上でも異色の存在だった。だが発売から半世紀が経った今でも、日本人の心に生き続けている。不安と高揚のあの日々を、夏になると思い出す。

リクエストが殺到した

「あの夏、日本中の若者が彼らの歌に取り憑かれ、夢中になりました。

 当時、僕は立命館大学を卒業したばかりで、KBS京都の新米アナウンサーとして悪戦苦闘の日々を送っていました。これから自分がどうやって生きていくべきか、暗中模索の毎日だった。そんなときに出会ったのが、あの歌だったのです」



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