滝久雄という「令和の政商」[短期集中連載 最終回]ぐるなび会長と中国「ブラックリスト」企業の深い闇

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政財界の広範なネットワークを生かして「政商」となった滝は、中国でも一流大学を端緒として人脈作りに励んでいた。そしてその関係こそ、滝を「令和の政商」たらしめる武器となっていった。

森 功(ノンフィクション作家)

前回までのあらすじ/「ぐるなび」の創業者・滝久雄と菅義偉総理は昵懇の仲だと言われる。昨年、滝は文化功労者に選出されたが、その選出過程は曖昧であり、「菅総理が推し込んだのでは」という噂も囁かれた。

「親中派の実業家」

 今年4月16日の日米首脳会談を目前に控えていたときの出来事である。入手した日本政府の関係資料には、次のように書かれていた。

〈"会談で(菅義偉総理が)説明を求められる可能性がある"との懸念を強め、国家安全保障局を含め政府の複数の省庁が、楽天役員を呼び出し、説明を求める事態となった〉

 くだんの資料によれば、日本政府の問い合わせに、楽天側はこう回答したという。



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