近頃、石川さゆりの『天城越え』に胸が締め付けられる

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何があってももういいの
くらくら燃える火をくぐり
この悲恋の歌を聞くたびに、
思い出す光景がある

命を燃やし尽くすような、すべてを懸けた情愛。決して叶うことのなかったあの恋路は、人生の大事な道しるべとなっている。『天城越え』を聞くたびに、心の中に生き続けてきた切ない記憶が蘇る。

人間の情念が凝縮

 激情。そんな言葉がふさわしい。

 石川さゆりの『天城越え』。'86年の発表から現在まで、この曲がNHK紅白歌合戦で歌われた回数は12回に及ぶ。この記録は美空ひばりや五木ひろし、森進一など錚々たる国民的歌手を抑えて圧倒的な1位。「日本人の心の歌」と言えるような一曲だ。



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