[特別鼎談]コロナと格差社会 斎藤幸平×宮台真司×白井聡

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コロナでみんな気付いてしまった。
自由主義と民主主義の行き着く果てが、
こんなに酷い現実だったなんて

働けば働くほど豊かになれた時代は、人類の歴史から見れば一瞬の輝きに過ぎなかったのかもしれない。未曾有の疫病が、幸福だったその記憶さえ押し流そうとしている。激動の行く末を徹底討議する。

【1】
金持ちはより金持ちに、
貧乏人はより貧乏人に
――どんな道理でこうなった

資本主義が牙を剥いた

斎藤:この1月に国際慈善団体のオックスファムが発表した調査は衝撃的でした。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツやテスラ創業者のイーロン・マスクら世界の富豪トップ10人が、コロナ禍のこの1年で、保有株の価格上昇などによって計56兆6000億円もの利益を得た。これは、全人類76億人に必要なコロナワクチンをすべて賄える金額だそうです。



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