著名な経営者たちが分析する パナソニック「危機の真相」

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企業ドキュメント

家電もダメ、半導体もダメ、充電池もダメ。
出口なしの状況に津賀社長は匙を投げ、新社長が選任されたが――

プラズマテレビで敗戦を喫し、「変わらなきゃ」ともがき続けてきたパナソニック。身を切る改革を山ほど実行したつもりだったが、活路は見出せなかった。漂流する26万人の巨艦はどこへ向かうのか。

「戦犯」の元社長は叙勲

「パナソニックはもう、難しいわな。世界で何十%のシェアを握れるような、『これは』という事業を生み出せなかった。これだけ組織が大きくて技術の範囲が広いと、どれが有望か見出すだけでも簡単じゃないんです」

 11月24日の夕刻、大阪府内の自宅で本誌記者にこう語ったのは、'00年から'06年までパナソニック(当時は松下電器産業)社長、'06年から'12年まで同会長を務めた中村邦夫氏(81歳)。在任時に独裁体制を敷いた「天皇」、そしてパナソニック凋落の引き金をひいた「戦犯」と社内では呼ばれている人物である。



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