実は日本人がいちばん好きな唄『風』の物語

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♪そこにはただ風が吹いているだけ

1969年、時代の狭間だからこそ生まれた

出逢いと別れ、そして喜びと絶望。その繰り返しで気が付けばここまで歩いてきた。振りかえってみると、一本の道が出来上がっている。自分の来し方に思いを馳せたその瞬間、一陣の風がわたった。

時代が揺れ動いていた

「今年に入ってからコロナ禍に見舞われる直前、大学時代の同級生たちと集まって酒を酌み交わしました。そのときみんなで合唱したのが、他でもない『風』でした。

 発表されてから50年以上が経った今でも、この唄を口ずさむだけで、本当にいい曲だとしみじみします」

 そう語るのは、多摩大学の特任教授・久恒啓一さん(70歳)だ。



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