名門・パナソニックの苦悩を考える

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出口はあるのか?
27万人を率いる津賀体制8年目の真実

V字回復を成し遂げたあと、再び業績不振に陥った津賀パナソニック。社長の経営責任を問うのは簡単だが、超巨大企業ゆえの困難をいくつも抱えているうえ、誰にもその解決策が見えていない。

勝ち方がわからない

「低収益体質からの脱却という課題に向き合わなければならない」

 1月6日、パナソニックの社長を務める津賀一宏氏が発表した年頭所感には、楽観的な言葉はひとつもなかった。それもそのはずだ。27万人の従業員を抱える老舗企業の'20年3月期の業績見通しは、売上高が7.7兆円と前年同期比で3000億円のダウン、営業利益が約3000億円で同1100億円のダウンと低迷。津賀社長は社員に「ビジネスモデルを再定義して、自らの勝ち方をしっかりと定めることが不可欠」と檄(げき)を飛ばすが、その当の本人も、いったいこの会社をどこに導けばいいのか、その解をもっているわけではない。



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