東京土地物語 第14回 江戸川区 西葛西で暮らすということ

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欲望と記憶が刻まれて

20年後の日本の姿がここにある

荒川に面する西葛西には、出稼ぎのインド人が多く住み、エスニックな雰囲気が漂う。外国人労働者が増加の一途を辿る日本。どのように外国人と共存していくか、この街の暮らし方が試金石になる。

平井康章(ノンフィクションライター)

9割がIT関連で働く

 東京の心臓部・大手町から東京メトロ東西線で14分。荒川に近い高架式の西葛西駅を降りると、駅前には飲食チェーン店や大衆居酒屋、スーパーなどが軒を連ねる下町らしい光景が広がっている。

 だが、街中には、インド料理店やスパイスなどを扱う食材店の派手な看板が点在している。そして、褐色の肌に彫りの深い顔立ちの男女が佇(たたず)んでいるのが目立つ。彼らはみな、この20年ほどの間に西葛西に増えてきたインド出身者だ。



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