なりもの ヤフー・井上雅博伝 第18回 巨額投資を決断するとき/森 功

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大型連載
祖師谷団地が生んだインターネットの天才

ヤフーBB、そしてボーダフォン日本法人買収のための出資など、ヤフー・ジャパンはソフトバンク・孫正義が推し進める大事業に巻き込まれていく。「なりもの」はこの荒波をいかに乗り越えたのか。

森 功(ノンフィクション作家)

前回まで/世田谷の団地生まれの、事実上のヤフー・ジャパン創業社長、井上雅博。好調に成長していたヤフーは「ヤフーBB」事業で壁にぶち当たる。混迷極める中、井上は孫正義のもとに懐刀の松本真尚を送り出す。

怒り狂う孫正義

 松本真尚は井上雅博のまわりにいた個性ある幹部社員たちのなかでも、とりわけ特異な立ち位置にいた。ヤフーの松本といっても、一般にはあまり知られていないかもしれない。だが、ソフトバンクが通信事業者として本格的に崛起(くっき)する過程のキーパーソンといえる。



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