なりもの ヤフー・井上雅博伝 第13回 大きな夢は、大まじめに語れ/森 功

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大型連載
祖師谷団地が生んだインターネットの天才

初年度のヤフー・ジャパンの売り上げは、わずか六三万円。そんな黎明期に、井上は「年商三〇〇〇億円」という途方もない目標を掲げる。その実働を、井上が探し出した「ならずもの」たちが担った。

森 功(ノンフィクション作家)

前回まで/世田谷の団地で生まれた、事実上のヤフー・ジャパン創業社長の井上雅博。ヤフー・ジャパンを始めた井上は、「自分に理解できない人間は採用」という基準で、無名の「ならずもの」たちを集めていった。

すべてが手作業だった

〈Yahoo!という名前は、“Yet Another Hierarchical Officious Oracle(さらなる階層的でお節介な神託)”の略だといわれていますが、デビッドとジェリーの二人は自らをならず者(yahoo)だと思っているからこの名前を選んだと主張しています〉

 ヤフー・ジャパンのホームページ(HP)は、今も社名の由来についてそう書く。日本で誕生したインターネットのパイオニアは、井上雅博が探し出した日本人の「ならずもの」たちの手によって躍進したといえる。



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