本庶先生と小野薬品「苦節22年」の物語

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特別企画
巨大なリスクを取ってオプジーボ開発にかけた執念、そして確執

たとえすぐに実を結ばなくとも、新しい可能性に賭け、業績が振るわないなかでも研究を続けた。逆風に抗って、古風なやり方で成功を導いたノーベル賞学者と大阪の中堅企業の奮闘が明かされる。

売り上げの3割を開発費に

「製薬企業にかぎらず、今の会社は、利益の出そうな良い『種』を手早く買い取るケースばかり。小野薬品には、会社の思想に従って地道に、人に役立つものを生み出そうとする伝統があります」

 小野薬品工業元社長の松本公一郎氏(77歳)はこう語る。



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