スクープ・インタビュー トッカイ【番外編】 末野謙一「バブル経済とは何だったのか」

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──バブルの「しんがり」たち
7668億円の支払いを無視した浪速の借金王

「バブル紳士」の代名詞ともいわれ、整理回収機構「トッカイ」が目の敵にしてきた男は、膨大な借金を抱え、今もしたたかに生きている。これまで取材に応じてこなかった末野氏の独白を聞こう。

清武英利(ノンフィクション作家)

いまも増え続ける返済額

 大阪の不動産業者・末野謙一は、75年の人生の3分の1近くを、「借金王」と呼ばれて生きてきた。旧住宅金融専門会社(住専)5社から借りた総額2549億円(内部資料より)を返さずに逮捕され、加古川刑務所で4年を勤めたのだが、いまなお整理回収機構の追及を受け、”回収時効”のない身である。

 債権の消滅時効は10年だ。だが、「末野に隠し金あり」と見る回収機構は2年半前、時効停止のための訴訟を起こし、彼個人に7668億7490万余の返済を求めた。



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