連載 トッカイ――バブルの「しんがり」たち 第5回 反骨者は大阪に結集した

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闇に溶けたカネを回収する男たちの闘いを描く
話題沸騰のヒューマン・ノンフィクション連載

傍流揃いの「寄せ集め」集団に見えたかもしれない。だが男たちは、それぞれに人生の苦さを嚙みしめ、職業人生にはいささかの誇りも持ち合わせていた。彼らは、運命のいたずらで、大阪に集った。

清武英利(ノンフィクション作家)

前回まで/旧住専(住宅金融専門会社)や銀行などから借りたまま、隠匿されている資金の「追跡」を続けるのが、トッカイだ。住専社員だった林正寛は、'96年、住管機構に再雇用され、トッカイへの辞令を受け取る。

「とりあえず」の組織

 繊維問屋の賑わいを残す大阪・南船場も、東のはずれまで来ると人通りはまばらで、商店街を抜けた先に小さな寺が現れた。

 そこに墨痕鮮やかな張り紙が二枚。



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