本格ノンフィクション連載スタート トッカイ[不良債権特別回収部]―― バブルの「しんがり」たち 第1回 20年後に現れた「京都の怪商」

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闇に溶けたカネを取り立てろ!
闘いはまだ終わっていない

バブル崩壊から四半世紀。不良債権はまだ逃げている。しかも、プライベートバンカーの手を借りて、タックスヘイブンの奥へ――。それは、旧住専(住宅金融専門会社)や銀行などから借りて隠匿し続けている資金である。これから紹介するのは、「回収困難債権」と呼ばれるそのカネの取り立てのため、特別に組織された”追跡者”たちの物語だ。

清武英利(ノンフィクション作家)

「最後の宿敵」を追って

「人間は、無視、称賛、非難の順で試される」というのは、老巧で聞こえた元プロ野球監督の至言だが、株式会社「整理回収機構」の場合は、初めに国民の熱狂的な支持と期待を集め、その後は非難、無視という運命をたどっている。



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