短期集中連載 栄光の代償といま向かい合う プロ野球「戦力外通告」の男たち 第3回 入来祐作━はぐれ狼の苦悩

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心から野球が好きで好きで仕方がない。でも思い通りにいかなくて、怒っているような、不満を抱えているような表情を隠そうとしない。だから時に周囲から誤解される。そんな顔が印象的な男である。

ライター 赤坂英一

信頼されたくて

 入来祐作が横浜ベイスターズに戦力外通告を受けたのは2008年10月1日だった。

 おれは終わった。ついに終わった。だが、自分の生きる場所は、やはりグラウンド以外に考えられない。横浜に、入来は懇願した。

「何でもいいんです、仕事をください」

 横浜だけでなく巨人や日本ハムにも、社会人の古巣・本田技研にも頭を下げて回った。なりふり構ってはいられない。たとえ選手ではなくなっても、チームの一員でいることはできるはずだ。闇雲に、そう信じていた。


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