[祝!ノーベル文学賞]カズオ・イシグロ いとこが本誌に明かした「一雄くんのこと」

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祖父は伊藤忠「伝説の商社マン」
妻・ローナさんには頭があがりません

一夜にしてその名は世界中に知れ渡った。長崎生まれの日系イギリス人作家は、どんな家に生まれ、どんな環境で育てられたのか。親戚や恩師の証言を元に、ノーベル賞作家のルーツを追った。

トヨタ家との縁

 長崎駅から車で10分。長崎市内を走る路面電車の新中川町電停から入り組んだ細い路地を100mほど進むと、3階建ての洋風の屋敷がある。ここにカズオ・イシグロ氏(62歳)が5歳まで過ごした生家が、かつてあった。

 この付近は長崎らしく、坂の途中に一軒家や集合住宅が密集して立ち並ぶ住宅街だ。往時は桜の名所として知られ、いまも料亭がいくつか残っている。



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