伝説の刑事たちが実名で語る「警視庁捜査二課」その栄光と蹉跌/清武英利

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特別読み物
なぜ「サンズイ=汚職」の摘発が激減しているのか

未曾有の公金詐取事件に挑んだ刑事を克明に取材した『石つぶて』が話題だ。汚職摘発に執念を燃やす無名の士たちの生き様は胸をつく。著者の清武英利氏が、最前線にいた刑事たちを訪ね歩いた。

清武英利(ノンフィクション作家)

サンズイこそが国を滅ぼす

「ナンバー」と呼ばれる警視庁捜査第二課の刑事たちが、大型事件の情報を東京地検に提供していた時代があった。人海戦術でつかんだ事件と手柄を検事たちに"上納"する、そんな力と余裕があったのである。

 それほどの情報収集力を誇った二課刑事(にかでか)たちがいま、汚職を摘発できずに喘いでいる。彼らをネコに例えれば、ネズミを捕れなくなっているのだ。



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