[大型連載]裁判官よ、あなたに人が裁けるか 第2回 原発を「止めた裁判官」「動かした裁判官」それぞれの人生 岩瀬達哉

[ptitle]
ある裁判官が「人命と電気代を天秤にかけることなどできない」と判決文に書いた時、多くの日本人が深く共感した。だが裁判官の世界では、そうした「普通の感覚」を持つ人ほど、冷遇されてしまう。

止めては動かすの繰り返し

「裁判官人生を振り返ってみると、僕なりに日和(ひよ)ってるんですよ」

 元裁判官で、弁護士として福井原発訴訟弁護団長を務める井戸謙一(63歳)は、滋賀県彦根市の事務所でこう語った。



会員の方は