知らないと痛い目に遭う『京都のおねだん』

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お客様は神様……なわけ、あらしまへん

「いけずな町」ではモノの値段が客によって変わります

「京都のおねだん」はわかりにくい。料金表もなければ、請求額は店と客の阿吽の呼吸だったりする。一見さんが思わぬ高額をふっかけられることも。京都人の本音を知れば、その真実が見えてくる。

よそ者には一生、わからない

「なぜこれがこんな高いのか、なぜあれがあんな安いのか、それが無料なのか、あるいはそもそもこんなものあんなものにどうしておねだんがつくのか――京都では往々にしてそういうよくわからない局面に出くわします。京都人は何にどれだけ支払うのかという価値基準が、ほかの地域とはいささか異なっているように思えます。京都についてエッセイの依頼を受けた時、大阪生まれの私が都のことを書くなどおこがましいと、一度は断わりました。しかし、もしかしたら、京都の値段を知ることは、京都人の思考や人生観を知ることになるかもしれない。それが本を書く動機になりました」



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