週現『熱討スタジアム』第231回 名優・志村喬を語ろう 今週のディープ・ピープル 澤地久枝×前田吟×岡田秀則

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昭和の名作映画に欠かせなかった「日本のお父さん」

自然体で飾らない「昭和の父親」。黒澤映画には欠かせない存在だった。無声映画からテレビドラマまで、映画の時代を駆け抜けた男の知られざる姿とは。

「大人の優しさ」を演じた

澤地:私が初めて銀幕で志村喬(たかし)さんの姿を観たのは、黒澤明監督の『酔いどれ天使』('48年)の頃だと思います。当時、私の女学校のクラスメイトたちも、あの映画を観て大騒ぎをしていたのですが、女学生の話題の中心は、白いスーツを着こなすやくざ者・松永を演じた三船敏郎さん(笑)。



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