広島・黒田博樹 見事な引き際の研究

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日本シリーズ 感動リポート

かくありたい

かくも鮮烈な引退劇が、あっただろうか。巨額オファーを蹴り、愛するファンの待つ古巣に帰ってきた男。若いチームを満身創痍で引っ張り、25年ぶりの栄冠を置き土産に、いま静かにマウンドを去る。

まだやれたのに

「どんなに体力的にキツくなっても、2ケタ勝つと『もう1年やれるかな』という気持ちが出てくるのがプロ野球選手です。今年も10勝した黒田が来年も現役を続ければ、まだ勝てたと思う。それでも辞める、ということは彼の美学なのでしょう」

 2月の宮崎・日南キャンプで広島投手陣の臨時コーチをつとめたOBの安仁屋宗八氏(72歳)は、31歳も年下の黒田に、敬意を表する。


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