田中角栄 最後の言葉

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特大号
特別企画

小沢一郎に引導を渡したジャーナリスト・松田賢弥が地元・新潟を踏査して書く

「金権政治家」「闇将軍」と叩かれたあの時、角栄の目は郷里新潟の小さな過疎の村に注がれていた。住民は皆「ここが角さんの原点だ」と語る。政治家人生の最後に、彼は何を成し遂げたかったのか。

「必ずまた来る」

 暑い日だった。車から降りた田中角栄元首相は背広も脱がず、差し出された冷えたキュウリに味噌をつけて頬張ると、急ごしらえの演台に乗りマイクを握った。

「トンネルが完成したら必ずまた来ると約束した。それが果たせてうれしいっ」



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