短期集中連載スタート  栄光の代償といま向かい合う プロ野球「戦力外通告」の男たち 第1回 その日は突然、訪れた

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予感はある。そろそろかな、いや、首の皮一枚つながるかも。そうして、一縷の望みを懸けて、最後の最後まで泥をかぶり、もがき、汗を流し続ける。一日でも長く、プロ野球選手でいたいと願って。

ライター 赤坂英一

静かな満足感

 2002年9月24日、甲子園球場の時計が午後11時を回ろうとしていたころ、入来祐作は三塁側ベンチからじっとグラウンドを見つめていた。ほとんどまばたきせず、食い入るような視線を注ぐ彼の横顔は、心の内で何かに憤っているかのように険しかった。


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