熊本「震度7」地震でいよいよカウントダウン「南海トラフ巨大地震」は半年以内に起きる!

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遠く駿河湾でも地震発生

※2016/04/18補注
本文中の日向灘の地震については4月14日深夜時点でのリアルタイム震度情報による速報をもとに執筆しましたが、その後の気象庁確定報では震源・震度が訂正されました。

 まだ歓楽街のネオンも明々と輝いていた九州・熊本の町に激震が走った。4月14日、午後9時26分。熊本空港などがある近郊の益城(ましき)町で最大震度7を観測する巨大な直下地震が発生した。同町では19棟以上の建物が倒壊、複数の人が下敷きになり、死者も出た。熊本城では威容を誇る石垣があちこちで無残に崩落。回送中の九州新幹線は脱線した。

 震度6強を含む強い余震が頻発した今回の地震だが、専門家たちは、「これは序章に過ぎない」と不安を隠さない。地震災害を研究する立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学教授は語る。

「この地震は、非常にいやな位置で発生しました。震源は阿蘇山のすぐ麓を走る布田川(ふたがわ)断層帯と考えられます。阿蘇山というのは、長野―静岡―愛知―和歌山から四国を突き抜け九州に至る巨大な断層の集中帯・中央構造線の上にあるのです」

 日本を背骨のように貫く中央構造線。ここが動き始めたことは、何を意味するのか。高橋教授が続ける。

「中央構造線には、太平洋側から日本を押しているプレートからの圧力がかかっていますが、この圧力に耐えきれなくなると地盤が割れて、ずれ動く。中央構造線全体が限界に近づいているとすると、長野、静岡から四国、九州までで、今回と同じような内陸直下地震が立て続けに起こる可能性があるのです」

 だが、それもまだ次に来る大災害の準備段階にすぎないという。

「その先にやってくるのは、南海トラフの巨大地震だと考えられます。

 '11年の3.11前の'08年には最大震度6強の岩手・宮城内陸地震が発生しました。陸側の地盤が圧力に耐えきれなくなると、遠からず海側のプレートの境界でも巨大地震が起きる。私は、次に起こる南海トラフ地震は、東海・東南海・南海から、琉球列島を越え台湾までが連動する巨大地震になる可能性も十分あると考えます」(高橋教授)

 岩手・宮城内陸地震から3.11までは3年の空白期間があった。だが今回の間隔はより短くなる可能性も懸念されている。

 熊本で余震が頻発していた14日深夜、熊本から海側に出た日向灘(ひゅうがなだ)で、熊本の地震に呼応するようにM2~3の海底地震が繰り返されたのだ。

 日向灘は、その海底で地震が起こると南海トラフの巨大地震が発生する間隔が一気に短くなることが最新の研究で示唆され、学界で注目が高まっているエリアでもある。

 さらに熊本地震の翌15日午前0時26分には東海地震の震源と想定される駿河湾の深部280㎞でM4.8の不気味な地震も発生。もはや巨大地震までの時間的猶予は、半年もない可能性すらある。

 日本のどこかで内陸地震が再び頻発すれば、黄信号は赤に近づく。今後数ヵ月は地震情報から目を離してはならない。

2016/04/30号