他社に企業秘密を持ちこんで……「社長候補」日本ペイント元役員62歳が「情報ドロボー」で逮捕されるまで

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「社長候補」はなぜ会社を裏切ったのか

人一倍、会社を愛した技術者が社内の権力闘争に敗れ、会社を追われた。そしてかけられた情報漏洩の容疑。ちょっとしたボタンのかけ違いが破滅へと誘う。サラリーマン人生の転落の軌跡を追う。

仕事はできるが、敵も多い

 日本最大の塗料メーカー「日本ペイント」(大阪市北区)で、かつて「社長候補」と目された橘佳樹氏(62歳)。

 社内の権力闘争で敗れ、同社を去った橘氏は、'13年に中堅の塗料メーカー「菊水化学工業」に役員として迎えられた。しかし、その末路は「情報ドロボー」の烙印を押される悲しいものとなった。



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