週現『熱討スタジアム』第187回 狐狸庵先生 遠藤周作を語ろう 今週のディープ・ピープル 遠藤龍之介×秋吉久美子×加藤宗哉

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『沈黙』『深い河』『海と毒薬』人間の根底を問う作風とは裏腹に素顔は照れ屋でイタズラ好きだった

芥川賞作家でありながら、素人劇団や音痴しか入団できない合唱団まで作ってしまった愉快な小説家。誰よりも人間臭かったからこそ、その作品は胸を打った。

父・遠藤周作の素顔

加藤:遠藤先生が亡くなられて今年で20年になりますが、去年だけで4冊の傑作選や名言集が出ています。没後20年経ってもこれだけ新しい本が出る作家は珍しい。神や信仰をテーマにしながら、どうしてこれほど読まれているのか不思議です。

秋吉:遠藤先生の作品はテーマは重たくても、やっぱり読ませますよね。それに、細やかでダイナミックなうえにすごく映像的です。『沈黙』にしても、『深い河』にしても、繰り返し同じ情景が描かれていますが、読み終わった後にその光景が心の中に響いていきます。



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