決定!いま歴史に残すべき日本人100人 後世に名を残すとしたら王か長嶋か、安倍晋三か小泉純一郎か、欽ちゃんかたけしかほか 学者編

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山中伸弥か、利根川進かほか
天才は100年後の社会を変える

生命の根幹にかかわる発見

 '15年も大村智氏(医学・生理学賞)、梶田隆章氏(物理学賞)というノーベル賞W受賞の快挙に沸いた日本の学術界。現在も存命している自然科学分野における日本人ノーベル賞受賞者は17人いるが、そのうち誰の研究が後世まで名をとどろかすのだろうか。

 まずは、医学・生理学分野。今年注目を集めた大村氏は天然有機化合物の研究を続け、感染症の予防薬の開発に大きく貢献した。新興国を中心に数億人の人命を救ったとも言われる功績は、間違いなく後世に伝えられるだろう。

 一方、利根川進氏は日本人として初めての医学・生理学賞の受賞者だが、研究内容が「多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明」と、素人目には難しすぎて、インパクトに欠ける。

 誰が見ても偉大さがわかるという意味では、今まさに医学への応用が進行中のiPS細胞の第一人者、山中伸弥氏の存在感は圧倒的だ。

「不治の難病を治す、まさに人類にとっての医療革命を起こすという壮大さがある」(元文部科学省官僚の寺脇研氏)

 ノンフィクションライターの松浦晋也氏も、山中氏を挙げる。

「山中先生の業績は、『生命の根幹』に近い分野で発見をされたということ。iPS細胞の研究は、医療のいちばん本質的なエリアでの進歩を促すもの。究極的には『不老不死』につながる研究なのです。人類史という長いスパンで見ても画期的なものであることは間違いありません」

 次に、宇宙の根本的な謎に迫る物理学分野ではどうだろう?

 業績の偉大さという意味では、残念ながら昨年7月に亡くなった南部陽一郎氏が存命であれば、真っ先にその名が挙がったに違いない。現在の素粒子物理学の基礎を築いた一人と目され、弦理論の創始者だったからだ。

「今でもお元気な江崎玲於奈先生、小柴昌俊先生、益川敏英先生、それぞれ専門的な領域で素晴らしい業績を上げている方たちなので、誰が残るか判断が難しいですが、南部先生の示されたコンセプトを発展させ、実現化している研究者という意味では益川先生でしょう」(松浦氏)

 電球などの従来の光源に比べて圧倒的に長寿命で、消費電力も少ない発光ダイオード(LED)は現在、あらゆる場所で使用されている世界的発明だが、その開発者である天野浩、中村修二両氏はどうか。

 天野氏は師匠筋にあたる赤崎勇氏とともに青色発光ダイオードの理論的基盤を確立、最初のLEDを開発した。

 ただ、それを大量生産する技術を開発したのは中村氏だ。世界中でLEDが使われることで消費電力が抑えられ、地球環境の向上に役立っていることを考えれば、中村氏の貢献が勝ると言えるだろう。
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2016/01/16号


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